大臼歯を抜いて親知らずを奥歯にする矯正治療

(更新日2021年4月21日)

今回のお話は大臼歯を抜いて奥歯にする私の矯正治療の方法についてのご紹介です。

珍しい治療のようなので参考にならないかもしれませんが、珍しいので逆に参考になる方にもいらっしゃるのでは無いかと思い書いてみました。




歯並びのついては結構酷いイラストになりましたので、気にならない方のみの閲覧でお願いします。



矯正前の精密検査の結果について

実際の矯正治療を始める前に精密な検査を行いました。

内容は以下の通りです。

・歯並びのレントゲンを撮る
・歯の模型を作る為に歯型を作る
・顎や歯の生えている位置やバランスを見るレントゲン(セファログラム)を撮る
・噛み合わせをみる

このような事をを行った上で、それらの結果を踏まえて先生が治療の方針を出すそうです。

その間数日を要しますとの事で、後日改めて再受診し検査の結果と治療の説明を受けました。




大臼歯を抜いて親知らずを奥歯にする矯正治療

治療案その1「上顎左右の7番の抜歯」

ここからは精密検査を受けて数日経った診察時のお話になります。

まず下記の第1案を提案されました。
上顎の左右の7番をそれぞれ抜歯する方法です。


歯科矯正のイラスト ©さんがつの歯科矯正を始めます

「一番奥の歯を抜いて親知らずを奥歯にする。」になります。

左右の7番(黄色)を抜いて、全体的に後ろに下げて揃える方法です。

この方法は無料診断の時に軽く聞いていた治療の事だなぁと思い出しました。



治療案その2「上顎右6番と左7番の抜歯」

先ほどの1案の後に先ほどと異なる治療の説明がありました。

それが「右の7番の抜歯をやめて、6番を抜歯するという事です。

歯科矯正のイラスト ©さんがつの歯科矯正を始めます

これは精密検査の際に歯並びや噛み合わせを確認した時に「元々動きにくいとされる6番が7番の位置まで動くかどうか、判断が難しそうだ。」と考えたのだと聞きました。

先生曰く「悩ましい歯並び」だそうです。



大臼歯6番の抜歯を検討するに至った理由

7番の抜歯で想定される最悪のパターン

さて、これで普通はあまりしない6番の抜歯を検討する事になりました。

これはあくまで私の歯並びについてになるのですが、その理由を箇条書きにしてみます。

・6番は元々動きにくい歯である
・8番の親知らずが、7番の方に傾いて生えている
・6番を抜く方が7番より大きなスペースが確保できる

です。

ざっくり言うと 「移動先のスペース(7番の抜歯後の位置)に6番を持って来たいが、親知らずが先に動いて来る可能性が高そうなので、6番を抜いて歯を並べましょうか?」という事です。

つまり7番を抜いたとしても、6番の動きによって今後の治療の方向が大きく変わる可能性があるという事です。

しかもそうなる可能性が比較的高いというです。


その最悪パターンの流れはこうなります。

6番の動きが悪い
(抜歯で確保した7番跡の位置まで動かない)
  ↓
7番の抜歯跡に親知らの8番が来る
  ↓
6番が7番の位置に来れない
  ↓
新たなスペースが必要になる
  ↓
4番か5番を抜く
  ↓
歯の本数が非対称になる
  ↓
全体のバランスを考えると他の歯を抜く可能性が出てくる


「この最悪の可能性が起きるのは低いと言えない」という事です。

こうなると、もう一つの病院で提示された8本抜歯が思い出されます。

「上下28本で歯を並る事が出来る」という最初の前提が大きく崩れる可能性があるという事です。


6番を抜歯するデメリットについて

上記を踏まえると「もう6番の抜歯が良いよね?」と思います。

ですがこの6番の抜歯についてはデメリットがあります。(先生は続けてデメリットについて説明して下さいました。)

先ほどは6番が動かない話をしました。

つまりこの6番は動きにくい歯なのです。
「歯の根がしっかりした歯である」という事です。

丈夫で奥歯のかみ合わせの要とも言える歯で、表すとこの一言に尽きるようです。




最終的に6番の抜歯を決断した理由

上記にあった最悪のパターンと、あまり想定しない6番の抜歯。

この最終決断は私に委ねられました。

「6番を残して動かす」か「6番を抜いてスペースを確保する」かのどちらかをです。

そして私の決断は「6番の抜歯」を選択しました。

決め手は「他の歯を抜く可能性がある」(あんまり抜きたくないですよね)
という事と、「先生に6番抜歯の矯正治療の経験がある」(実際に治療の経験があったのは、とても心強いです)という事です。

「先生を信じてやってみよう!」その時はそういう気持ちになっていました。

あと6番の歯の重大さが素人の私に分からないというのも有ったと思います。



大臼歯抜歯後の歯並び

という事で右側6番、左側7番の抜歯済の歯並びのイラストです。


歯科矯正のイラスト ©さんがつの歯科矯正を始めます

この様な歯の状態です。

奥歯を2本抜いてここからやっと矯正の治療を進める状態です。

抜いた後の歯のイラストからその様子を少し説明します。

・右の歯列(向かって左)の6番抜歯跡に大きなスペースが出来た
・右5番は、噛み合わせとしてして機能していない場所にある。
・右7番は下の奥歯との噛み合わせがあっていないので噛む事がが難しい。
(下は親知らずが横向きにあって手前押し出してずれている様です。)

このような状態になったので食事は左側の6番〜4番辺りで噛んで取っています。

片噛みは良くないですけど、暫くは仕方ありませんね。



最後に

という事で大臼歯の抜歯の治療についてまとめてみました。

デメリットやメリット、最悪パターンをしっかり説明されましたので、この決断に後悔はありません。

最終的に歯が綺麗に並んだので本当に良い決断でした。


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